春花のクローチング

カービングスキーが登場してから、ゲレンデに刻まれるシュプールが変化してきたことは皆さんもご承知のことと思います。
ゲレンデに刻まれる二本のレールのようなシュプールは上級者の証明のような風潮がありますが・・・・。又、このようなシュプールを刻む事が上級者だと勘ちがいしているスキーヤーも多いのではないでしょうか。

今日のテーマは“スキー滑走で誰よりも速く目的地に到着”するターンの方法について”です。
極論から話を始めます。
“よりよくスキーを滑らせるための理想のターン”とは下記の条件を満たすターンです。
●スキーに一定に荷重する
●スキーをできるだけ横にしない
●できるだけエッジをたてない
上記の要素を状況に合わせて誰よりもシンプルに運動しながらターンができればワールドカップでも勝つことができます。

“よりよくスキーを滑らせるための理想のターン”の答えは“直滑降”です。
当たりまえのことですが、直滑降こそが最速の滑りなのです。

いつものようにゲレンデで上級と呼ばれている一般スキーヤーを観察するとターン始動期でのエッジ(角付け)が強すぎること、スキーの回し過ぎが目立ちます。
ターン始動(谷まわり)でエッジングが強すぎるとブレーキ要素が大きくなりン、バランスを崩す原因となります。又、スキーの回し過ぎではいつまでたってもゴールに辿り着くことはできません。
雪上に二本のシュプールが残しながら自分のターンに酔いしれてはいるが、子供(プルークスタンスで元気よく滑る)とスピードが対して変わらないことに気がつかない上級スキーヤーを見ると心が痛みます。

舵とりで必要な運動“荷重・角づけ・回旋”は必要最小限に行なうことがスキーを滑らせるポイントです。
“過ぎたるは猶及ばざるがごとし”です。学ぶ時にはオーバーに運動して神経経路にインプットすることが必要ですが、実践での運動オーバーは禁物です。

写真は3月下旬ルーデンス湯沢スキー場で娘を撮影しました。
撮影時に娘に与えた課題は「カッコ良く、速く、リフト乗り場まで滑れ!(直滑降禁止)」でした。
この写真を見る限り、娘は私の問いに対して正しい答えを出してくれたような気がします。

歳をとり“直滑降”が怖くなってきた自分を忘れるためにオフシーズンも毎晩“安い酒”を飲んでいます。(山藤)