01024c9c.JPG拝啓 残暑の候 ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
さて、このたびはヨーロッパの氷河・南半球のスキーにも出かけることもできず、残暑厳しい日本でひたすら仕事に励み、雪を待ちわびているスキーヤーの皆様に少しではありますが残暑のしのぎ方、取り急ぎ、ご案内申し上げます。  敬具

レッスン中「新雪を楽しむにはどうしたらよいか?」と言う質問を受けることがあります。アドバイスは次の通りです。シーズン中の新雪滑走を思い出しながら読んで下さい。そして、読みながら少しだけ残暑を忘れて下さい。

1.まず、新雪を滑る
難しい斜面ではなく、ゲレンデの端などに圧雪車の踏み残しがあったら滑ってみてください。直滑降やプルークでも結構です。まず、新雪に慣れることが大切です。新雪滑降は転んでもおもしろい事に気がつくでしょう。
但し、ゲレンデ内の新雪は早めに滑らないと他のスキーヤーに滑られてしまいます。スキー場の営業開始前からリフトに並んで一番先に新雪に跳びこむ根性が必要です。その為には前の晩、飲みすぎないことがベストです。“新雪をとるか、酒をとるか”難しい選択をしなければなりません。

2.雪をよむ
新雪といっても様々な雪質があります。極上の粉雪、重い湿雪、ウインド・クラスト、サン・クラストなどまだまだ沢山あります。“雪をよむ”にはなによりも経験が必要です。雪から、多くのテクニックを学びましょう。雪は偉大なスキー教師です。
オフピステ滑降で雪質がわからない場合は三番目位に滑りましょう。先に滑ったスキーヤーの様子を探るのです。斜面の雪質が判断できたら自信ありげに余裕を持ってスタートしましょう。だんだん慣れてくると“滑りながら雪質に合わせる”ことができるようになります。雪質に合わせることができるようになったら、次ぎの斜面はなるべく先頭で滑りましょう。誰よりも先に滑る新雪ほど楽しいことはありません。但し、いつも先頭に滑ると他のスキーヤーに嫌われます。”嫌われるか、自分の快楽をとるか“ここでも難しい選択を迫られます。

3.重心やや後、スタンス狭く、両足荷重
新雪での転倒は過度の前傾と、左右の荷重のアンバランスが原因。
気をつけることは必要以上の前傾をとらないようにすることです。その為に“重心やや後”という意識が必要です。要は雪からの抵抗を上手に受けることです。まずは前後バランスの調節が大切です。
荷重では片方の足にだけ強く荷重しないことです。左右のバランスを調節しながら“なんとなく両足均等”に荷重することです。この“なんとなく”が重要なポイントです。
某国スキー連盟の一部で流行した最新テクニック(トップを押さえる前傾・ワイドスタンス・内足荷重)では新雪滑降は絶対無理。無理を承知で“最新テクニックで滑るか、見栄を捨て従来のテクニックで滑るか”またしても、重要な選択を迫られます。(ついでに一言:ストックもタイミング良く突いてください。最近、ストックは突く必要がないと言われる大先生方もいらっしゃいますが・・・。新雪に限らず、バランスやリズムを取るにはストックは重要な役目を果たします。)
まだまだありますが今回はこの辺で・・・。

写真
写真は2月、ルーデンス湯沢スキー場でレッスン中に新雪を滑るS君(以前は新雪苦手)です。朝一番に撮影しました。滑り出すと顔に雪がかかり、息ができなくなるような深雪でした。転んだら「大笑してやる」つもりでカメラを構えていましたが、期待に反して見事完走。滑り終わった後、「どうだ!俺の滑りは!」という顔を見せたので、「滑りはまあまあ〜。それより、そのミラーのメガネはもうやめたら。ダサイよ。」と、アドバイスしました。スキーヤーには自分では気がつかない多くの課題が有るものです。人生も同じです。(山藤)