6934f7dd.JPG今日のブログは荷重について哲学します。
スキーテクニックを哲学すると深い迷路に入り込み、カントの苦悩が少しわかるような気がします。(注:スキー靴のカントではありません)
まずは荷重の定義から。
日本スキー教程:スキーヤーがスキー板に体重を乗せたり、筋力によって雪面に働きかける力。
SIAオフィシャルメソッド:スキーに力を加えることで、必ずしも体重ではありません。
新オーストリースキー教程:低速では体重を利用した荷重移動によって、高速ではそのときに生ずる外力を利用した圧力移動を行なう。スキーをまわす原動力は荷重移動であり、後には圧力移動となる。
又、SIAオフィシャルメソッドでは圧力移動を「滑るスピードが速まると、スキーヤーはスキーに加わる圧力を左右交互に移す動きが顕著になります。」と記載しています。

スキー技術に精通した皆さんは、ご承知かとは思いますが荷重動作には二つあることに気がついたことでしょう。
この、二つの動作の中で、特に都会育ちのスキーヤーに欠けているのは外力を利用する荷重です。(荷重とは言わない方が良いかもしれません。)
それは何故か、初歩の段階からスキー板に体重を乗せる荷重方法しか習わないからです。そして、荷重を安易に考え、深く哲学しないからです。
外力を利用する荷重。具体的にはスキーヤーが自分の体重を加える動きではなく、雪面からの圧を受ける動作。今シーズンは是非、マスターして下さい。大切なスキーの基技術です。
コブ斜面が滑れない、テクニカルがいつも不合格、ポールでタイムが伸びないなどは、スキー板に体重を乗せるだけのワンパターン荷重も原因の一つです。

外力を利用する荷重動作の筋肉運動は耐筋力という方法を使います。
耐筋力とは、静的最大筋力のように「自分で縮まろうとして発揮する筋力」ではなく「外部からの強い力に対してかろうじて動かない状態を保っている筋力」の事です。
舵とりにおいて外足の、足関節・膝関節・股関節の三つは「伸展方向」に運動する事が必要です。
先シーズン当たりから、そして今シーズンは大流行するであろう「体軸を長く」という、滑り方のポイントは耐筋力を状況に合わせて使うことです。

今日の結論です。スキー板に体重を加えることも荷重。雪面からの圧力を利用することも荷重。滑走スピード・斜度・雪質・ターン弧の大きさに合わせて荷重動作はバランス良く調節しながらおこないます。重要な事は「荷重とはこれだ!」と一つだけに固執しない事です。
日本の基礎スキー界は「最新テクニック」と称して流行を作り出し、一つのテクニックに偏りすぎる傾向にあります。
今から30年前、フランスのスキー理論家、G・ジョベールは、著書の中で「非常に組織だったテクニックは国立指導メソッドとして紹介されているもので、他の動き・習得を禁止し、生徒に非常に似かよった動きを極端に強要する。われわれは、それらの合理的な点・不合理な点をつきとめた。テクニック要素の習得は、いろいろな状況に従って、あるいはいろいろな動きをおこないながら、つぎつぎに求められていかなければならない。そうしないとそのテクニックは、たんなるひとつの動きとして身についてしまい、状況に応じて他の動きに移行できないものになってしまう。」と書いています。

ちなみに哲学とは(世界と人生に関する原理を研究する学問)だそうです。

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