e747a1d1.JPG自称“エッジング鑑定士”の私は、ゲレンデやオフピステに描かれたエッジング(シュプール)を一見しただけで滑り手の技量を判断することができます。
判断(鑑定)の基準は舵とりにおいて、エッジング運動が“ターン弧の深さ・スピード・斜度・雪質”に合わせてコーディネイトされているかどうかです。今日のテーマはエッジングです。

皆さんは「エッジングとは何ですか?」と聞かれたらどのように答えますか。返答に困る方もいるのではないでしょうか。特に、指導(コーチ)する側はこの当たりがあいまいでは良い指導(コーチ)は出来ません。
日本スキー教程によれば、エッジングとは“荷重、角づけ(あるいは回旋を含む)によってスキー板と雪面の間に生じる力を調節する運動の総称。”と記載されています。
わかりやすく言えば、エッジングとはターンの大部分を占める“舵とり”において、荷重・回旋・角づけの三つの動作を同時におこなうことです。

同時におこなうと言っても、荷重・回旋・角づけの運動の割合は状況によって変化していきます。低速度では荷重(体重を乗せる)と回旋の割合が多くなり、スピードが増すにつれ、回旋は少なくなり荷重(圧を受ける)と角づけする量が多くなります。
自転車を例に挙げると、カーブを曲がるとき、低速ではハンドルをターン内側に回す動きが見られますが、スピードが増すにつれハンドル操作は少なくなり、自転車全体を内側に傾ける動きがたくさん出てきます。ハンドルを回す動作を“回旋”、内側に傾く動きを“角づけ”と考えてもよいでしょう。

話しを少し逸らします。
カーブを曲がるとき、自転車では経験が少ない人でも、スピードや路面の状況に合わせてうまくターン(カーブを曲がる)できますが。しかし、スキーでは経験豊かな人でも、ゲレンデで状況が悪く(変わる)とうまくターンできないのが現状です。
それは、状況を見ながら本能で滑る(エッジングする)ことができないからです。テクニックを考えて、理論(頭)で滑ろうとするからです。又、一つのテクニックに偏りすぎているからです。皆さんは自転車でカーブを曲がるときテクニックや理論を考えていますか。
一つの例を挙げます。最近のゲレンデでは低速であるにも拘らず、カービングターンと称して“傾き(角づけ)をメインにターンしているスキーヤーが多く見られます。この滑りは、低速であるにも拘らずスキーの角づけを優先しています。結果として外力とのバランスが崩れ実際には傾き過ぎで内側に転んでいるのです。しかし、スタンスを広くとっているので内足でなんとか支えて転倒を防いでいるだけなのです。これは内傾ではなくスキー専門用語では「内倒」といいます。このような滑り(テクニック)をカービングターンとは呼びません。勘違いしないようにしましょう。本能で滑るためには基本練習に負けないくらいの応用練習をすることです。様々な斜面を滑ることです。

話を元に戻します。
スキー学校では初心者に直滑降からスタートして両スキーのテールを押し開きながらプルークに移行する練習をします。この練習の目的は二つあります。一つは制動をかけて停止すること、もう一つが“エッジング”の練習であることを見逃さないで下さい。
スキーヤーは誰でも直滑降からプルークへ移行する際に“荷重・回旋・角づけ”三つの動作を行なっています。この動作が“舵とり”におけるエッジングの基本動作なのです。つまらない練習ですが、ここが大切なのです。
この動作をゆっくり行なえばロングターンのエッジング、素早く行なえばショートターンのエッジングへと繋がっていきます。慣れてきたら運動の時間の長さ、力の方向などを変えて様々なパターンを練習すると良いでしょう。そうすることにより、無限にあるターン弧に対応することができるようになります。(どちらかといえば動作をゆっくりおこなうロングターンのエッジングが難しい事に気がつくと思います。)
又、低速で直滑降からプルークへ移行する際には、制動要素を少なくしてスムーズにスキー板を滑らせながらエッジング動作する事に特に注意して下さい。うまく“エッジングしながら滑らせる”こともスキーの基本技術の一つです。
すべらせるということはスキー(エッジング)と雪のコンタクトによってうまれる制動をできるかぎり取り除くことなのです。
初歩の段階にスムーズで流れるようなエッジングを学習したスキーヤーは、都会育ちであってもチャンピオンスポーツ(競技スキー)で通用する確率が上がります。

今シーズンも多くのエッジングを鑑定したいと思っています。
私のこれからの目標はテレビ番組の“なんでも鑑定団”に「エッジング鑑定士」として出演することです。そして有名な大金持ちになり、ローンや借金を早く返済したいと思っています。(山藤)

3年前、娘(当事4歳)に初めてスキーを教えました。この日は当然ながら制動要素の少ないエッジングを目標に練習しました。緩斜面で“エッジングしながら滑らせる”ことを徹底して教えました。(本人はつまらない練習だと言っていました。)学習初期に滑らせるエッジングを練習したおかげでスピードを出す事が楽しく、暴走族のように滑る先シーズンの写真です。親馬鹿ですがエッジングは良いと思います。(滑走日数は全部で18日程です)
初心者のレッスン程、難しさと責任を感じます。何故ならば最初に記憶させた動作がその後のスキー技術に大きな影響を与えるからです。